食物アレルギーと仲良く付き合いましょう
3. アレルゲン別の除去食療法 
Dゴマアレルギー
 ゴマアレルギーは、近年の食物アレルギーの増加とともに、オーストラリアやイスラエルをはじめ米国など主に先進国を中心に世界的な増加が報告され、わが国でも食品の多様化に伴いゴマ消費量の増加につれ、ゴマアレルギーが著しく増加している。
ゴマ特異IgE抗体(RAST)陽性者の年齢分布
 1歳代がピークで、鶏卵アレルギーよりもやや遅く出現し、年長になるにつれ順調に低下がみられることから、割合早く耐性の獲得が可能と思われる。アトピー性皮膚炎の乳児においては、約20%に陽性であり、重症者高頻度で、抗体価も高値である。
 ゴマ特異IgE抗体(CAP-RAST)陽性者の年齢分布

ゴマは”隠されたアレルゲン”と呼ばれる
 ゴマ食品  
ゴマ製品 ゴマ油、すりゴマ
いりゴマ、ソーメン 
 調味料 ドレッシング
焼肉などのたれ
デザート クッキー、マーガリン
アイスクリーム 
ふりかけ  記載確認
化粧品
医薬品
記載確認

 ゴマそのものよりは、調味料やドレッシング、マーガリン、デザート食品などにゴマ油やゴマペースト、ゴマ粕などすり潰した状態で使われているため、知らず知らずの内に摂取していることも多い。また、カルシウムやビタミンA、B、Eなどが豊富に含まれることから、健康食品ブームの一翼を担う食品でもある。さらに、ゴマは香水化粧品、UVバリアークリーム、潤滑剤、殺虫剤等の製造に使用されたり、ゴマ油は筋肉注射の溶剤として利用されたりするため“隠されたアレルゲン”と呼ばれることもある。
実際の除去方法 
 診断が確定すれば、アレルギーの強さの程度にもよるが、油やすりつぶした食品に特に注意しながら、3か月〜半年程度除去したあと、ゴマ粒数粒から解除を試みて下さい。