アトピー皮膚炎治療にJAK阻害薬が登場

小児アトピー性皮膚炎(重症、12歳以上)の生物学的製剤治療薬として、新たにリンヴォック(ウパダシチニブ)が使用可能となりました。アトピー性皮膚炎の病態に重要なかかわりを持つJAK1(ヤヌスキナーゼ)という酵素を阻害することで、皮膚病変の炎症並びにそれに伴うかゆみなどアトピー性皮膚炎の症状を起こす多くの伝達物質を減少させることで効果を発揮します。JAK1選択制が高いため、強い効果と安全性が確保されるものと考えられますが、免疫系への影響が考えられ、肺炎などの感染症に配慮する必要があります。1日1回服用でOKです。

同じくJAK1を抑制することで効果を発揮する生物学的製剤としてサイバインコ(アブロシチニブ)も12歳以上の患児で使用可能です。

また、軟膏製剤であるコレクチム軟膏(デルゴシチニブ)も2歳以上のアトピー性皮膚炎児への使用が可能となり、選択肢が増えました。軟膏については、副反応も局所的なものが主と考えられます。