Dワクチンによる緊急避難的予防
水痘ワクチンの緊急接種
 水痘(みずぼうそう)患者に接触した場合、72時間以内にワクチンを接種すれば、60〜80%は発病を防止でき、発病しても軽く済ませることが可能です。水痘は発疹出現前1日ぐらいから感染すると考えられ、家族内で発病したときには、72時間以上経過している可能性もあり、注意が必要です。
 アシクロビル(抗ウイルス薬)を接触後7日目より1週間から10日間投与を行うことで可能ですが、潜伏期を考慮して発症初期からの投与で、軽症に経過させればいいと考えます。
 96時間(4日)以内であれば、ガンマグロブリンの投与で発症を防ぐことも可能です。適応は、免疫不全の子どもや水痘の免疫のない妊婦、分娩前後に水痘を発症した母親から生まれた新生児などに限られます。ガンマグロブリンの効果は約1ヶ月程度持続します。
 
麻疹ワクチンの緊急接種
 麻疹(はしか)患者に接触した場合、72時間(3日)以内に麻しんワクチンの予防接種をすることで、発症を予防あるいは軽症化することが可能です。接触後5、6日以内であればγ−グロブリン投与で発症を抑えることができますが、対象は限定されます。
ムンプス(おたふくかぜ)の緊急接種 
 ムンプスは、耳下腺が腫脹する約1週間前から感染力があり、気付いた時点ですでに感染が成立していることが多く、その時点でのワクチン接種が効かないことが多いため、適用が限られます。 

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