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こどもの病気ナレッジノート

Knowledge

㉓伝染性膿痂疹(とびひ)

小児の病気

ポイント

膿疱 (膿汁のたまった水疱)と、かさぶた(膿痂疹)を伴う皮膚病変が見られ、小さな切り傷や引っかき傷から広がることが多く、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌といった細菌が原因となる。膿痂疹は、容易に別の部位に波及する。その広がり方が火事の広がり方に似ることから「とびひ」という別称で呼ばれる。

症状

痛みを伴う赤い発疹からはじまり、水疱になり、中身が膿になり、膿疱となる。容易に破れ、湿潤な状態を経て、痂疲(膿痂疹)を作る。膿痂疹が数か所から数十か所にわたり出現することが多い。

病態

ぽっと1つできた水疱やカサブタから始まり、水疱が破れて痕には細菌が大量に存在するため、タオルや自分自身の手を介して、容易に別の部位に細菌が移り、同様の皮膚症状を発症する。鼻孔部が初発のことも多い。起炎菌は、黄色ブドウ球菌(水疱性膿痂疹)とA群β溶血性連鎖球菌(痂疲性膿痂疹)いう2種類の細菌。それぞれの細菌によって皮膚症状が若干異なる部分もあるが、症状からは区別できない。

診断

伝染性膿痂疹は、特徴的な皮膚症状から診断される。合併症の発症が疑われるときは、起炎菌を同定するための細菌培養検査や炎症の程度を判断する血液検査も必要になる。

治療

抗生物質の経口や軟膏の塗布で治療。入浴はひかえ、シャワーで石鹸を使い、患部を清潔にし、軟膏を塗布する。患部との接触で広がることからガーゼ等で患部を覆う。かゆみが強い時にはかゆみ止めの経口薬を併用する。

予後

治療1週間程度で治癒する。瘢痕は残さない。黄色ブドウ球菌による伝染性膿痂疹の場合、毒素が全身に広がり、全身にやけどのような水疱を形成する(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)ことがあり、その場合入院治療が必要。