④-③-⑥アレルゲン別除去食療法 ピーナッツ
⑥ピーナッツ
ピーナッツは、食物アレルギーの原因食品として第8位であり、鶏卵や小麦、牛乳と比べて食物アレルギーの原因として増加傾向にあります。チョコレートなどの菓子類、カレーのルーなど様々な食品に混入されています。母親が妊娠・授乳期にピーナッツそのものを積極的に摂取せずとも、赤ちゃんがピーナッツに感作されていることも多い。著者らの検討では、低年齢、特に0歳代でのピーナッツ特異抗体の陽性者が増加すると共に抗体価も上昇していました。
食物アレルギー児の年齢別ピーナッツ特異抗体陽性率(ラストスコア2以上)
除去食療法での注意点
ピーナッツアレルゲンは、アレルゲン性が強く、微量でアナフィラキシーを起こす危険性が高いとされ、落花生の殻にも存在します。節分の豆まきに殻つき落花生が使われ、アレルギー反応を発症した幼児も経験しています。小麦やそばと同様ピーナッツアレルゲンを吸入しても反応が生じます。ローストするとかえってアレルゲン性が増加します。また、ピーナッツは、マメ科ラッカセイ属に部類され、いわゆるナッツ類ではありませんが、約3分の1から4分の1の人が、クルミ、アーモンド、ココナッツなどのナッツ類(種実類)にも反応します。ナッツ類(クルミ、アーモンド、カシューナッツなど)についても検査し、必要なものだけ除去しましょう。過剰な制限にならないようにしましう。
最近、ピーナッツを食べた時の症状出現が起こりやすいかどうかの判断に役立つ新しい検査が開発されました。Ara h2抗原が陽性の方は、誘発症状が出やすいと判断できます。従来のピーナッツ特異抗体が陽性だったために制限をされているお子さんは、ぜひこの新しい検査を受けてください。陰性であれば食べても症状が出ない可能性が高く、医師の指導のもとに負荷テストを行って確認できます。
耐性獲得は、そばや甲殻類同様成人まで持ち越すことが多い。少なくとも数年間の除去が必要ですが、年長児に至れば、医師の指導のもとに、除去食解除を試みることも必要と考えます。
ピーナッツ(落花生)含有食品
それ自体 | ピーナッツ、ピーナッツオイル、ピーナッツバター・クリームなど |
菓子 | チョコレート、クッキー、ケーキ、スナック菓子など |
風味・隠し味 | カレーのルー、ドレッシングなど |
種実類 | クルミ、アーモンド、ココナッツなど |