新しいアナフィラキシー治療薬「ネフィー®(neffy)」について
新しいアナフィラキシー治療薬「ネフィー®(neffy)」について
食物アレルギーやハチ毒、薬剤などによって起こる重いアレルギー反応「アナフィラキシー」。
その緊急時に使用するお薬として、これまではアドレナリン自己注射薬「エピペン®」が広く使われてきました。
2026年2月から、日本でも**針を使わず、鼻に噴霧するタイプのアドレナリン製剤「ネフィー®点鼻液」**が販売されています。
当院でも処方についてご相談いただけます。
ネフィー®とは?
ネフィー®は、アナフィラキシーが起こった際に使用する緊急時の補助治療薬です。
有効成分はエピペン®と同じ「アドレナリン」で、血圧の低下を改善したり、気管支を広げたりする作用があります。
専用の噴霧器を使い、片方の鼻の中に1回噴霧して使用します。
注射針を使用しないため、注射への恐怖心が強いお子さんや、注射の操作に不安がある方にとっても、新しい選択肢となります。
エピペン®との違いは?
どちらも有効成分はアドレナリンですが、投与方法が異なります。
【ネフィー®の特徴】
– 注射針を使わず、片方の鼻に噴霧して使用します。
– 鼻の粘膜からアドレナリンが吸収されます。
– 注射への恐怖心が強い方にも使いやすい方法です。
– 鼻の形態や状態によっては、薬の吸収に影響する可能性があります。
【エピペン®の特徴】
– 太ももの筋肉に注射して使用します。
– 筋肉からアドレナリンが吸収されます。
– 長年にわたる使用実績があります。
– 注射針を使用するため、適切な操作方法を習得する必要があります。
効果に違いはあるの?
これまでの臨床試験では、ネフィー®とアドレナリン注射製剤を比較した際、血液中のアドレナリン濃度や、血圧・心拍数への作用は概ね同等であることが確認されています。
一方で、実際にアナフィラキシーを発症した患者さんにおいて、両者の救命効果が完全に同等であることを直接証明したものではありません。
また、ネフィー®は鼻粘膜から吸収されるため、鼻の形態や状態によって吸収が影響を受ける可能性があります。
どちらのお薬が適しているかは、患者さんの状態に応じて判断することが大切です。
何歳から使えるの?
ネフィー®には1mgと2mgの2種類があり、体重によって使い分けます。
– 体重15kg以上30kg未満:1mg
– 体重30kg以上:2mg
原則として、体重15kg以上のお子さんが使用対象となります。
体重15kg未満のお子さんについては、十分な使用データがないため、慎重な判断が必要です。
使用するときの注意点
① アナフィラキシーが疑われたら、適切なタイミングで使用する
アナフィラキシーは急速に進行することがあります。医師とあらかじめ相談した症状が現れた場合には、使用をためらわないことが大切です。
② 使用後は必ず医療機関へ
ネフィー®はあくまで緊急時の補助治療薬です。
使用後は原則として救急車を要請し、症状が改善した場合でも必ず医療機関で診察・治療を受けてください。
③ 効果が不十分な場合は追加投与が必要になることも
効果が不十分な場合、1回目の投与から10分以降を目安に2回目の投与が可能です。
追加投与の必要性や方法については、処方時に医師から説明を受けてください。
④ 鼻の病気や手術歴がある場合は相談を
鼻茸、鼻の骨折・損傷の既往、鼻の手術歴などがある方では、薬の吸収が十分でない可能性があります。
当院での処方について
岸田こどもクリニックでは、ネフィー®の処方についてご相談いただけます。
処方にあたっては、アレルギーの病歴、アナフィラキシーのリスク、体重、鼻の状態などを確認します。
また、安全に使用していただくため、使用するタイミングや具体的な操作方法、副作用などについて十分にご説明し、練習用の器具を用いた使用方法の確認を行います。
現在エピペン®をお持ちの方も、ネフィー®への変更を含めてご相談いただけます。
患者さん一人ひとりに適した緊急時のお薬を、一緒に考えていきます。
岸田こどもクリニック


