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こどもの病気ナレッジノート

Knowledge

④-①-①食物アレルギーとは・・・

アレルギー

1.食物アレルギー とは・・・

特定の食物によって、免疫のシステムを介して、様々な体にとって不利益な症状が起こることを、食物アレルギーと言います。

アレルギー症状には、皮膚(じんましん、湿疹、かゆみなど)、呼吸器(咳、喘鳴、鼻汁など)、消化器(下痢、嘔吐、腹痛など)様々なものがあります。食物アレルギーを引き起こすのは、多くの場合、動植物由来(鶏卵、乳製品、小麦、大豆など)のタンパク質で、食物アレルゲンと呼ばれます。

①食物アレルギーを起こしやすいのは乳児期!

食物アレルギーは、1歳未満の乳児期の発症が多く、有症率(症状がある人の割合)は乳児が約8-10%、2才児が約6%、3歳児が約5%と報告されています。

年齢により新規発症する原因食材は異なります。
乳児期の原因食材は鶏卵(卵白)・牛乳・小麦が多くを占めています。
しかし、この鶏卵・牛乳・小麦などは食物アレルギーと診断されても、成長とともに消化能力や免疫機能が高まることで、1歳過ぎから軽くなり、3歳頃には約50%、6歳頃には約70%のお子さんが食べても症状が出ない状態となります(耐性獲得)。

1歳から6歳頃にかけては魚卵類・木の実類のアレルギーが増加します。木の実の中でも特にクルミのアレルギーは近年著しく増加しており注意が必要です。これらは乳児発症の食物アレルギーと比べ、症状なく食べられるようになる可能性は低いです。

 0歳
(1356人)
 1‐2歳
(676人)
 3-6歳
(369人)
7-17歳
(246人)
 ≧18歳
(117人)
 鶏卵 鶏卵木の実類 果物類 甲殻類
 牛乳 魚卵類魚卵類甲殻類 小麦
 小麦 木の実類落花生木の実類  魚類
年齢群ごとの新規発症例(今井孝成, 杉崎千鶴子, 海老澤元宏. アレルギー 2020;69:701-5)

魚卵類:イクラ・タラコなど
木の実類:クルミ・カシューナッツ・アーモンドなど
甲殻類:エビ・カニ・イカ・タコなど

②食物アレルギーの起こり方

食物アレルギーの最も典型的なタイプは『即時型』と呼ばれ、原因となる食物も食べた後、通常2時間以内にアレルギー症状が出現します。特に血圧低下や意識障害を伴う『アナフィラキシーショック』は命にかかわります。

『食物アレルギーの関与する乳児のアトピー性皮膚炎』では乳児期のアトピー性皮膚炎に合併して食物アレルギーが認められます。湿疹の増悪に関与する原因食物を食べることで即時型症状を認めることもあります。ただし、全ての乳児期のアトピー性皮膚炎に食物が関与しているわけではありません。

原因食物を食べた直後から、口唇の腫れ・喉のかゆみや違和感を感じる『口腔アレルギー症候群』では花粉症の方が果物や野菜を食べると症状が出ることがあります(花粉‐食物アレルギー症候群)。

原因食物を食べた後に運動をすることによってはじめて発症する『食物依存性運動誘発アナフィラキシー』もあります。運動だけでなく、体調不良・睡眠不足・月経・薬の服用・アルコール摂取・入浴などが誘因となることもあります。