④-③-⑨アレルゲン別除去食療法 魚アレルギー
⑨魚アレルギー
魚肉には本来アレルギー反応の抑制に働く、EPA(エイコサペンタンエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含み、アレルギー体質の改善につながると考えられる。しかし、魚を多く食べる日本人や北欧の人々に魚アレルギーも多く認められる。アレルギー(不思議な反応)の由縁である。
魚アレルギーは、乳児期後半から出現することが多い食物アレルギーです。主要アレルゲンは魚の筋肉に含まれるパルブアルブミンとコラーゲンなどのタンパク質です。従って魚種にかかわらず共通に含まれるため、多種の魚でアレルギー症状が出現することがよく経験されます。即時型だけでなく非即時型の反応や母乳を通しての発症も認められる。主な症状としては、じんま疹や口腔アレルギー症状が多いが、喉頭浮腫や喘鳴も時に認められる。
原因魚種として、サケ、タラ、ホッケ、カレイ、イワシ、サンマ、マグロ、サバなど日本人が口にする機会が多いものが原因となる。
ヒスタミンなどによる食中毒と区別することが必要
サバなど青魚を食べた際に出現するじんま疹はじめ嘔吐、下痢、腹痛等の症状は、魚肉に蓄積されたヒスタミンなどの生理活性アミンの摂取により起こることも多い。とりわけ鮮度の落ちたものや冷凍から解凍されて食卓にあがるものには注意が必要です。アレルギー反応ではない。
アニサキスアレルギーにも注意
いろいろな魚に寄生しているアニサキスに対するアレルギー反応による症状を魚アレルギーと間違われることがある。血液検査でIgE特異抗体を検査することができる。焼いたり、煮たりしてもアレルギー活性はなくなりません。
実際の除去方法
まず、食べられる魚とアレルギーを起こす魚を見きわめることから始める。魚の新鮮さや漁獲された地域でも差があることもある。他のアレルゲンと同様調理方法も大切で、缶詰にされたものやカツオ節やサバ節では大丈夫ということも多い。また、十分量の水に浸し、圧量鍋での高温調理も有効とされる。
パルブアルブミンの含有量は、魚種により大きく異なり、ホッケやボラなどではほとんど検出されない。また、魚の部位で異なり、頭部に多く、尾部にかけて低下する。さらに、普通筋よりも血合筋で少ない。コラーゲンは、皮膚、健、骨などに多く含まれ、ゼラチンへと変化する。ゼラチンアレルギーの方は注意が必要。
魚の煮汁にもパルプアルブミンが湧出することから、2度ゆで、3度ゆで後の魚肉はアレルゲン性が低下しており、通常行うべき対策である。