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こどもの病気ナレッジノート

Knowledge

④-③-⑫アレルゲン別除去食療法 果物アレルギー/野菜アレルギー

アレルギー

⑫果物アレルギー/野菜アレルギー

果物アレルギーは、バラ科のモモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチゴなどとウリ科のメロン、スイカさらにキウイフルーツ、バナナ、オレンジなどの頻度が高い。

野菜アレルギーは、トマト、ジャガイモなどのナス科の植物、セロリー、ニンジン、パセリなどセリ科の植物やヤマイモなどの頻度が高い。

症状は当該食品を食べて15分以内に、直接接触した唇や舌、のどの腫れや違和感など口腔症状や口囲の蕁麻疹や目かゆみや鼻症状が中心のことが多いが、全身の蕁麻疹や咳・喘鳴などの呼吸器症状や下痢などの消化器症状、ときにアナフィラキシーも招来する。

口腔アレルギー症候群

このような果物や野菜のアレルギーは、口腔アレルギー症候群と呼ばれ、シラカンバやブナ、スギの花粉との共通抗原性があり、科が違っても同様に反応することもある。

 共通抗原性があるとされるもの
 モモ・リンゴ・ナシ・大豆
 セロリ・パセリ・ニンジン・モモ・ナシ・ジャガイモ・シラカバ
 サクランボ・リンゴ・ピーマン
 パパイヤ・パイナップル・大豆・イチジク・キウイフルーツ
 オレンジ・カモガヤ
 マンゴウー・ウルシ・ギンナン

花粉とアレルゲンの構造が似ていると報告されている果物・野菜

花粉 果物・野菜など
カバノキ科
シラカンバ
ハンノキ
オオバヤシャブシ
バラ科:リンゴ, 西洋ナシ, サクランボ, モモ, スモモ, アンズ, アーモンド
セリ科:セロリ, ニンジン 
ナス科:ジャガイモ マメ科:大豆, ピーナッツ
マタタビ゙科:キウイ カバノキ科:ヘーゼルナッツ
ウルシ科:マンゴー その他:シシトウガラシ
ヒノキ科
スギ
ナス科:トマト
イネ科ウリ科:メロン, スイカ  ナス科:トマト, ジャガイモ 
マタタビ科:キウイ ミカン科:オレンジ マメ科:ピーナッツ
キク科
ヨモギ
セリ科:セロリ, ニンジン ウルシ科:マンゴー その他:スパイス
キク科
ブタクサ
ウリ科:メロン, スイカ, カンタローブ, ズッキーニ, キュウリ 
バショウ科:バナナ

ラテックス・フルーツ症候群

果物アレルギーがある場合、ラテックス(ゴム)にもアレルギーを起こすことがある。ラテックスとの共通抗原性は、バナナ、キウイフルーツ、アボガド、パパイヤ、グレープフルーツ、メロン、イチジクなどの果物以外にもトマト、ジャガイモなどの野菜、ピーナッツ、クリ、クルミなど多彩な食物にある。

また、ラッテクスアレルギーはアナフィラキシーまで至ることもある重要なアレルギーです。ゴム手袋を常用してきた医療関係者に多く認められる。ゴム手袋や風船、輪ゴムなどにかぶれる場合にはラテックスアレルギーが考えられる。

天然ゴムラテックスに含まれるアレルゲン蛋白の一つとしてHev b 6.02(ヘヴビーロクテンゼロニ)抗原に対する特異抗体の測定が可能になりました。従来のラテックスアレルゲン検査で陽性でもこのアレルゲンが検査で陰性の場合は、実際はラテックスアレルギーでないことが多々認められます。ラテックスアレルギーが疑われる場合には、従来のラテックス抗体と同時にHev b 6.02抗体も測定することが必要です。

対策

生のもの以外は反応は減弱するものが多い。トマトの場合、ケチャップで反応することはまずない。リンゴジュースやリンゴジャムも反応はでにくい。加熱処理も有効である。野菜では、一度ゆでって、煮汁を使わずに料理することでアレルゲン性は軽減される。いわゆるあく(灰汁)の強いとされるものは、十分にあく抜きを行ってから使用する。

ラテックスアレルギーのある人は、果物・野菜にも注意を払う必要がある。
果物間や野菜間だけでなく他の食品やアレルゲンとの共通抗原性に注意する。