⑪乳幼児下痢の時の食事
ポイント
初期に嘔吐を伴うことも多く、その際には、嘔吐を抑えることが必要・不可欠です。乳幼児では早めに医師の治療を受けてください。
水分補給
赤ちゃんにとって理想的な補給水分として、乳幼児用の経口補液製品が市販されています。あらかじめ用意しておきましょう[アクアライトORS(和光堂)、OS-1(大塚製薬)、アクアサーナORS(森永)など]。ポカリシュエットなどスポーツ飲料は乳幼児には駄目です。また、100%リンゴジュース 720ml+食塩3g(小さじ1/2杯)+水(湯さまし)で1リットルにしたものでも構いません。はじめ10~30ccをスプーンやスポイドでゆっくりあげましょう。嘔吐がなければ引き続き30~40分置きにあげて下さい。1回量も少しずつ増やしましょう。嘔吐が続くときは小児科受診が必要です
食事療法
嘔吐が落ち着きしだい授乳を再開しましょう。1回量を抑えながら、3~4時間毎にあげましょう。離乳食中の赤ちゃんでは、授乳で嘔吐が落ち着いていれば、野菜スープ、野菜かゆやおもゆから再開します。便の状態をみながらいつもの食事にもどしてください。食べ物は、原則として便よりも柔らかいもので、消化の良いものをあげましょう。1回量を減らして、回数を増やすとよいでしょう。下痢が続いていても嘔吐がなければ、たべものを中止する必要はありません。腸の負担になる肉・魚などのタンパク質や脂肪分の多い食物、冷たいもの、糖分の多い飲み物は控えて下さい。また、乳糖(牛乳など)は控え目に、ヨーグルト・チーズは食べ過ぎなければ大丈夫でしょう。
1週間以上下痢が続く時には、二次性の乳糖不耐症が合併してきますので、乳児では乳糖不耐症用ミルクに変えることも必要になります。小児科受診がよいでしょう。