㉗ヒトメタニューモウイルス感染症


ヒトメタニューモウイルス(hMPV)とは
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、風邪のような症状を引き起こすウイルスの一種で、特に乳幼児や小さなお子さん、高齢者が感染すると気管支炎や肺炎に至ることもあります。RSウイルスと似た症状であり、冬から春にかけて流行することが多いです。
主な症状
ヒトメタニューモウイルスに感染すると、以下のような症状が見られます:
- 鼻水・咳
- 発熱
- のどの痛み
- 呼吸がゼーゼー・ヒューヒューする(喘鳴)
- 食欲低下・元気がない
特に1歳未満の赤ちゃんや持病がある子どもは、重症化して気管支炎や肺炎になることもあります。
感染経路は
- 飛沫感染(咳やくしゃみ)
- 接触感染(ウイルスがついた手や物を介して)
家族や集団の中での感染拡大を予防するために手洗い・咳エチケットを徹底しましょう。
アルコール消毒も有効です。
ウイルスに感染してから症状が現れるまでの期間(潜伏期間)は4~6日です。
症状が出てから1~2週間はウイルスの排出が続くため、この期間は他の人に感染させる可能性があります。
検査・診断
重症化するリスクの高い乳幼児に対しては、インフルエンザのように専用の綿棒で鼻の奥から鼻水を採取する迅速検査が可能です。15分程度で結果が出ます。
治療法と対処法
ヒトメタニューモウイルスには特効薬やワクチンはありません。基本的には、症状に応じた対症療法になります。
- 熱が高ければ解熱剤
- 咳や痰がひどければ吸入や咳止め
- こまめな水分補給
息苦しそう、呼吸が早い、顔色が悪い、水分がとれないなどの症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。