④卵アレルギーと予防接種


食物アレルギーや気管支喘息などアレルギー疾患の子どもは、いわゆるアレルギー体質を持っているため、自分にない蛋白質などに対するアレルギー反応を起こす可能性が、アレルギー体質を持たない方に比べ、かなり高いと考えられます。
特に、卵アレルギーのあるお子さんへのインフルエンザワクチン、MRワクチン、おたふくかぜワクチンなどの接種に際し、注意が喚起されています。
・インフルエンザワクチン
結論から言うと、多くの場合は問題なく接種できます。
インフルエンザワクチンは、ウイルスを鶏卵で育てて作っています。具体的には、受精卵の中にウイルスを入れて増やす方法です。ですから、卵の成分(卵白に含まれるたんぱく質など)がわずかにワクチンに残ることがあります。しかし、その量はとても少なく、現在の製造技術では、ごくごく微量しか含まれていません。
厚生労働省や小児科学会、アレルギー学会なども、
「卵アレルギーの人でも、インフルエンザワクチンは通常どおり接種可能」
と声明を出しています。
また、最近の研究でも、
重度の卵アレルギー(アナフィラキシー歴あり)の人でも安全に接種できた
重大な副反応は報告なし
という結果が出ています。
・MRワクチン・おたふくかぜワクチン
こちらも問題なく接種できます。
MRワクチンやおたふくかぜワクチンの製造にも卵はかかわっているのですが、使われているのは「ひよこの細胞(鶏胚細胞)」であって、私たちが食べる鶏卵そのものではありません。そのため、卵のたんぱく質がワクチン中に含まれている量は極めて微量か、ほぼゼロに近いとされています。
アレルギーをお持ちでワクチン接種を悩まれてる方は是非ご相談ください。安心・安全に接種できるようお手伝いいたします。